2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

お買い得ウィジェット

無料ブログはココログ

« 2013年8月 | トップページ | 2014年1月 »

北海道への旅(その4)

礼文空港を後にする頃には、雨もだいぶ上がってきた。このままでは島の観光をひととおり終えて、車を返却するのみとなった。そこで、道沿いにある神社に立ち寄ってみることにした。
その神社の名前は見内(みない)神社。車を止めて、道の裏側にある入口から中に入る。すると、入口のあたりにノートが一冊置いてある。ここを訪れた人のための自由帳だが、これが面白い。いろんな人のいろんな思いがつづられていて、しばし見入った。
外へ出ると、東へ海が広がっている。右ななめ前には前日までいた利尻島が、大きく見える。うん、なかなかいいところじゃないか。礼文島。
見内神社を後にした我々は、フェリーの出航までまだしばらく時間があることを知っていた。そこで、先ほど行きそこねた桃岩展望台に行くことにした。天候も回復してきたので、きっといい景色が見えるだろう。
ということで、車1台分しか舗装されていない道を行く。途中、歩いて道を登っているツアーの集団を追い抜き、桃岩展望台へ。前日の山歩きで足取りが重いHYとともに、桃岩の見える展望台まで来る。すると、目の前に巨大な桃岩、背後には雄大な利尻富士、と抜群の眺望が我々を待っていた。種類は分からないが、植物もたくさん咲いている。限られた時間ではあったが、周囲の景色を楽しんだ。
短かった礼文島の車旅も、これでおしまい。レンタカーを返却し、フェリー乗り場で帰りのフェリーを待つ。
…いや、もうひとつ確認したいことがあった。それは、桃岩荘の人たちが、フェリーの出迎え、見送りにやってくるのかどうかということだった。HYが出迎えの桃岩軍団を発見、遠巻きにその存在を確認した。
軍団といっても2名、しかし、旗を全力で振り、何か歌っているのは確認できた。その後、駆け足でフェリー乗り場に行ってしまった彼らは、我々の前に姿を現すことはなかった。
フェリーに後のほうから乗り込んだため、またしても外の座席に陣取った。ほどなくフェリーは出航した。
礼文島がどんどん小さくなっていく。今度来るときは、もう少しゆっくり訪れたい場所であった。
そして、礼文島に反比例して、利尻島はどんどん大きくなってきた。昨日自分が登った山とは思えない、悠然とした威厳をたたえた山である。山が近付いてきて、そしてだんだん小さくなっていく。日没とともに色を失い、周囲も暗くなってくる。
稚内に到着することには、日はすっかり暮れて、周囲を闇が包み込んでいた。
稚内到着後、事前に指示されていたとおりに、レンタカー会社へ電話する。するとレンタカーの会社の方が迎えに来てくれた。事務所で手続きを済ませて、ホテルへ向かう。
この日予約していたのは、「ホテルおかべ汐彩亭」。シングルルームを押さえたはずだったが、ベットがふたつ置いてある広々とした部屋だった。まずはチェックインを済ませて、夕食を食べる場所を確認する。ホテルと稚内の駅の間に、飲食店が集まったところがあると聞き、その一角へ向かう。
若干くたびれていた我々は、他の店を確認することなく「車屋・源氏」へ。ホテルでも、観光客によく案内する居酒屋さんとのことであった。
さっそく入ってみると、我々のような者の扱いを心得ていそうなおばちゃんとおやじどのが、いろいろ教えてくれる。まずは気になる「サハリンビール」を2本いただこうとすると、「はじめは1本にしておきな」とのこと。どうもサハリンビールは好き嫌いが分かれるビールのようである。
HYと乾杯し、意外にもサハリンビールは我々の口に合うのでは、ということを知り、もう一本サハリンビールをやる。確かに好き嫌いは分かれるのだろうが、ベルギービールとかたくさん飲んでる人にはけっこういける味なのではないかと思いました。
その後、ザンギやじゃがバター、お店名物のたこしゃぶなど、北海道を堪能して帰った。源氏さん、おすすめです。
汐彩亭には大浴場があるとのことだったが、あまりにくたびれていたために入るのを断念、部屋に戻ってすぐに寝てしまった。翌日は富良野に向かう。

(続く)

北海道への旅(その3)

□8月23日(金)
 この日は、日の出の前に目が覚めた。前日の山歩きも朝早かったため、その勢いが続いて起きてしまったのか、それとも普段と違った環境で眠りが薄かったのか。夢を見たが、何の夢だったかは忘れた。
 窓の外には、相変わらずペシ岬が海に向かって伸びていた。天気は悪くなさそうだったので、とりあえず登って見ることにした。玄関から、徒歩15分ほどの岬の上を目指す。すると、岬の頂上あたりに人影が見える。あまり多くの人が集まるのも風情がないだろうと思い、頂上ではなく少し下がった灯台から日の出を眺めることにする。
 朝早くから、ツバメがたくさん飛んでいる。間もなく、雲の間から太陽が顔を出した。太陽はぐんぐん高度を上げて、前日に登った利尻富士を照らしていく。山の全景はそれまで見えなかったが、この朝は私の前にその姿を現した。雄大なその山に、美しい日の出とともにしばし見とれていた。
 夢海に戻り、朝風呂に入るHYを見送り、しばし時間をつぶす。ほどなくして朝食の時間になった。朝食も海の幸を中心としたおいしいご飯であった。朝食後は、バス停の位置を確認。バスの時刻も合わせて確認した。宿に戻ってからは荷造りしてチェックアウト。夢海は優しいご主人、女将に守られた、心安らぎ、そして心温まるお宿であった。
 宿を出て郵便局のそばでバス停でバスを待ち、フェリー乗り場へ。今回のフェリーには時間の余裕があったので、チケットを購入してコーヒーを購入。すると、ほどなくして乗船が始まった。利尻島のゆるキャラ「りしりん」に見送られ、客室へ。すると、思いのほか人でごった返しているため、やむなく外の座席に陣取る。こちらはすいていた。小雨のぱらつく中、船は利尻島を出て礼文島へ向かう。40分ほどでつく短い船旅だった。朝は雄大な姿を見せていた利尻富士も、だんだん雲がかかってきてしまった。
 船はすぐに礼文島へ。到着後には観光案内をもらい、おみやげ屋さんで傘を購入。雨が本格的に降り出した。次にレンタカーを借りに行く。すでに我々の車は用意されていて、営業所の方が慣れた口ぶりで解説してくれた。礼文島にはそれほど道路がなく、主要な道路の説明と注意事項を簡単に受けるのみであった。満タン返しにしなくていいというのも、嬉しいところであった。
 車を確保したのが11時前後だったので、昼にはまだ早いということで第一の目的地をユースホステルの桃岩荘にした。ここは、数あるユースホステルの中でも異彩を放つ、極めて個性的なところである戸の情報。まずは桃岩に向けて車を走らせる。
 すると、桃岩荘の入り口が見えてくるのだが、「宿泊者以外立入禁止」と書いた柱が立っている。近くに行ってみたいと思っていたのだが、ここはルールを守って行動したい。そばにあった駐車場に車を止めて、展望台より桃岩荘を見下ろし写真撮影。トイレに入って桃岩荘を後にした。それにしても、これらの公衆トイレは、冬にはどうなってしまうのだろう。めちゃくちゃ雪が吹き込んだりして大変なんだろう、とか、冬は閉鎖なんだろう、と思いを巡らせた。
 船着き場に戻ってきた我々は、次なる目的地「ちどり」を目指す。ちどりは礼文名物「ほっけのちゃんちゃん焼き」の元祖となるお店だそうだ。ちゃんちゃん焼きといえばシャケなのだろうと思っていたが、ちどりはこれをほっけでやるという。俺はこれまで、ほっけをちゃんちゃん焼きで食べたことがなかった。これは楽しみだった。
 店は、船着き場から歩いても行けるような場所にあった。雨は相変わらず降り続いていたので、傘をさして歩く。店に入店すると、焼き物のためのいろり(というのか、七輪の巨大なの)が建物の窓際に配置されている。いろりに陣取ると、意外と暑い。メニューは、HYがうに丼とちゃんちゃん焼き、俺がいくら丼と鯨のベーコン。
 料理の詳細は口コミサイトにも多くの情報があるので、参考にしてもらいたい。個人的な感想としては、多くのお金を払っても、礼文島に立ち寄った人はおさえておくべきスポットである。いくらは弾力があり、ウマい。ちゃんちゃん焼きも、翌週には旬を過ぎるということで、ギリギリおいしいところをいただくことができた。ほっけに味噌をつけて食べるという、貴重な経験をすることができた。
 満腹になった我々は、「スコトン岬」に向かう。スコトン岬は「最北限の岬」と称している。最北端でないことに注意する必要があるが、そんなことはどうでもいい。島の東海岸沿いの道路をひたすら走る。途中、数少ない分岐で迷い、礼文空港のほうにいってしまうがすぐに軌道修正。雨脚がだんだん強くなってくるのが気になる。
 途中、最北限のたい焼き屋「よこの」が見えたが、帰りに購入することにする。ひたすらまっすぐ進むと、スコトン岬に到着。駐車場に止めてある車は数台、レンタカーの軽自動車がライトつけっぱなしで止めてあったのが気になりつつも、取り急ぎ岬からの眺めを楽しむために車外へ。すると、雨が強く降りつける。風も強い。なんとか岬で写真を撮ってミッション完遂、と思いきや、岬から下りたところに宿があることを発見。「石を投げないでください」なんて注意書きもある。こんなところによく宿をつくる気になったと関心しつつも、実はその近くにあった廃屋みたいなののほうが気になった。廃屋の隣には鳥の死骸があったりする。近くのカラスたちもなんとなく野生を感じたので、怖くなって退散。
 おみやげ屋さんでは利尻ビールなる地ビールと、トド肉なる肉を購入して撤退。続いて「よこの」に向かう。すると、よこのは閉店している模様。永久に閉店しているのかどうかは不明だったが、店頭に人の気配は感じられなかった。残念な感じを引きずったままに、礼文空港へ。
 礼文空港は、定期便の運行がされなくなってから時間が経っているらしく、入り口は閉ざされていた。なぜか、荷物を積んだ大型トラックが空港の前をたくさん通過しているのが気になったが、我々がお仕事の邪魔にならないように足早に引き上げた。

(続く)

北海道への旅(その2)

タクシーの中で、運転手の方がフェリーターミナルに電話をしてくれた。充電がなかったので私の電話を使ってもらった。これには非常に助かった。聞くと、同じようなシチュエーションで何度も電話しているらしい。到着後、急いで券を購入し、フェリーに滑り込みセーフ。
なんとも慌ただしい雰囲気の中で、フェリーは利尻島に向けて出発。客室は2等。しかし、鹿児島への旅で乗った貨物船に比べると、やはり内装や船室が豪華である。靴を脱いで上がれるようになっているので、自分たちの居場所を確保する。
時折外に出て、風に当たる。観光客も多いのか、外で写真を撮っている人は多い。ほどなくして利尻島が見えてくる。利尻富士は、中腹あたりから雲に覆われている。登山の日は翌日と決めているので、どうか晴れてほしいと願う。フェリーは予定通り、1時間40分ほどで利尻島に到着した。
フェリー到着後、船を背にして右側に岬が見える。調べると「ペシ岬」というらしい。登っていけそうであったが、この日は宿に到着することのほうが優先なので、まずは宿の場所を調べて向かう。
この日の宿は「民宿 夢海(むかい)」。なかなかよいネーミングではないか。チェックインを済ませて、荷物を置く。チェックインの時に、登山計画書に記入。お宿で登山計画書を出すことになるとは、登山客の気持ちを引き締め、万が一の対策をしっかり講じている。夕食が18時30分からと聞き、近くのコンビニ(エブリワン)まで買い出しに向かう。
途中、ライダーハウス「眉倶楽部」がある。興味深そうに眺めていると、マスターと思しきヒゲのおじさんが、「ご飯だけでも食べていってね」と声をかけてくれた。今回は日程の都合上、立ち寄れず残念だった。
エブリワンの買い出し終了後、夕食。海の幸を堪能した、と言いたいところであったが、実は海産物に好き嫌いがあり、心から楽しむことができないのがこれまた残念であった。特に、利尻のウニは有名だが、俺はあまりウニが好きでない。同行のHYがウニをこころよりうまそうに食べているのを見て、「本当においしいんだな」と思った。夕食後に携帯トイレを購入し、風呂に入った。窓の外は、暗くて見えなかった。
風呂の後には、エブリワンで買ったビールを1本だけ空けた。翌日は4時起きだ。ビールを飲んだあとは、さっさと布団に潜り込んだ。

□8月22日(木)
この日は、朝4時になるはずの目覚ましよりも少し先に起きた。利尻山への登山の一日の始まりだ。
持ってきた荷物のパッキングを終え、5時に宿の主人の車で登山口のある北山麓野営場へ。宿からものの10分ほどで到着した。野営場には何組かのグループが、準備運動をしている。彼らも、利尻山に登る人たちである。
ところで、利尻山には「利尻ルール」というこの山独自のルールが制定されている。これは、自然環境の急速な悪化が続く利尻山を守るために、2008年に利尻山登山道等維持管理連絡協議会によって制定されたもの。

1) 携帯トイレを使う
2) ストックにキャップをつける
3) 植物の上に座らない、踏み込まない

という3つの項目を呼びかけている。
我々は携帯トイレを事前に購入していたので、それを持って入山。ルールを守りながら山を楽しむことを心に誓った。
利尻山は多くの花が咲くことで知られている。俺は花の種類をよく知らなかったので、とりあえず写真だけ撮ることにした。山は2合目の野営場から登り始め、3合目に甘露泉という湧き水が出ている。7合目あたりまでなだらかな登りが続き、その後は急な登りになる。9合目からはさらに急な登りの上、ガレ場となるのでロープを使いながら登っていく。山頂に着いたのは10時前。5時間近くで登ってきたことになる。
途中までは礼文島が見えていた利尻山も、山頂付近はガスっていて眺望はゼロ。雨が降らなかっただけよしとしよう、ということで早々に下山を決定。下りもなかなかタフな道だった。午後2時40分頃に野営場に到着、靴を洗っていると夢海の店主が迎えにきてくれた。宿のこういったサービスは、たいへんありがたい。
帰りの車の中で、主人がこんな話をしてくれた。
「中には、海に足をつけて、そこから利尻山に登る人もいるんだってね。」
なるほど、海岸から一気に登っていく利尻ならではの、山の楽しみ方だと思う。前述のライダーハウス「眉倶楽部」のウェブサイトにも、同じようなことが書いてあったような気がする。千葉だと富山あたりでできそうだ。
山から下りてきてヘトヘトではあったが、ペシ岬からの眺望も気になったため、風呂の前に行ってみることにした。途中、利尻の警備にあたった会津藩士の墓を見つつ、岬の頂点へ。西に礼文島、遠くサハリン、稚内が見えた。利尻山は、まだ雲に包まれていた。フェリーが礼文島に向けて出航した。明日は礼文島だ。そう思って、夕焼けに染まりつつある岬から下りてきた。
利尻登山を無事に終えた我々は、エブリワンの手前にあった佐藤商店で大量の酒を購入し、夜宴に備えた。その後風呂に入ったが、この日は我々しか宿泊客がいないということで、景色がよくて規模の大きいほうの風呂を用意してくれた。ペシ岬や海を眺めながら、しばし登山の思い出に浸った。夕食も海の幸をふんだんに使った贅沢なものであった。ウニの土瓶蒸しは、俺にも自然に入ってくる味わいであった。
その日の夜は、無事の下山を祝してたくさん飲んだ。いろんな話をして、満腹になって寝た。
さて、翌日は礼文島だ。

(続く)

« 2013年8月 | トップページ | 2014年1月 »