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鹿児島への旅 第二章(その3)

□7月21日
01:30
Fくんが、充電に必要な機材をもってきた。彼は車を持っていないため、ソーラーバッテリーで充電しながらの旅であった。
夜中に充電しにくる、とは言ってたのだが、ようやく眠りについたところだったので、再び眠れるかの不安はあった。しかし、難なくコロッと寝た。その後はだんだん涼しくなっていった。

5:00
目が覚めた。涼しかった。
タオルの湿気と己の汗で、ガラスの内側はべっとりじとじとであった。
とりあえずトイレを済ませ、エンジンのかかっていそうなところに車を移動させる。
そこでズボンを履き替えて、Fくんから預かったデジカメバッテリーとモバイルブースターの充電を始める。
日はすでに昇っていた。
天気は晴れ。雲があちこちにかかっている。

8:00
だいぶ、駐車場も埋まってきた。
Fくんのバッテリーも充電が終わったようなので、彼のテントのほうへ行ってみる。
彼はすでに起床しており、テントのあたりで片付け、その他のことを行っていた。徐々に人の数が増えてきて、公園の前のほうは、シートで埋められてしまった。しかし、まだまだ余裕はありそうだ。

9:00
Fくんが、知り合いを連れてきた。女の子2人と、男性3人。女の子は、ペアで宇宙のTシャツを着ていた。男性の3人は、こうのとりに搭載される実験装置の設計に関わった方で、うち1人は「きく8号」の設計を担当した方だという。
お互いのことを話し合いながら、打ち上げの時を待つ。
なお、このときには「種子島に雷雲が発生」との情報が入り、少しずつ雲が増えてきた気がする。
無事に打ち上げられればいいのだが。
Aくんは、寝るところがなくて地べたに寝ていたようだ。雨に打たれても起きなかったという。すごい精神力だ。

10:00
3人組のうち1人から、「打ち上げのGO/NGの判断は、1時間前と10分前に行う」との情報を得た。1時間前のアナウンスでは、「引き続き状況を見ながら、予定を進める」とのこと。微妙な言い回しが気になるが、予定通りに進んでいると前向きに解釈した。
ここで、記念のピンズが配布された。数に限りがあるということで、あっという間に掃けてしまったみたいだが、女の子は手に入れたようだった。HTV3のピンズ、ほしい気もしたが、こうのとり2号機のときにもらっていたので良しとしよう。
打ち上げ1時間前ということで、JAXAによる放送がはじまった。拡声器が近くにあったので、音がガンガン聞こえてきた。
放送は、こうのとりの紹介、ミッションの紹介、H-IIBの紹介などであった。知っていることが多かったので、あまり真剣には聞いていなかった。

Dsc01925

10:50
小雨がパラパラ降ってきた。周辺の人々に不安が広がる。あと少しで打ち上げ。双眼鏡で何度も機体を見る。あれがもうすぐ、雲を突き破って打ち上げられるのだ。

11:02
「打ち上げ480秒前」の放送。ここからカウントダウンが始まった。
カウントダウンが始まるということは、予定通り打ち上げを行うということだ。歓声が上がる。
その後もカウントダウンを行いながら、公式放送によってそこで起こっている出来事が逐一伝えられる。
興奮が高まる。カメラを構えている人が「前の人、座って!!」と何度も叫ぶ。
彼らも、いい写真を撮ろうと忍耐を重ねてきた人なのだ。自分のポジションを守るために、必死で叫ぶ。

11:06:08
「打ち上げ10秒前」
「9」
「8」
「7」
「6」
「5」
「4」
「3」

打ち上げ その時
ここで、エンジンに火が点る。まぶしい光とともに、それを見たギャラリーが驚きの声、叫び声を上げる。
そして、「2」、「1」、「H-IIB3号機 発射」(確かそんなようなアナウンスだったと思う)のアナウンスと同時に、ロケットは雲に入り、そのまま見えなくなってしまった。
刹那、地鳴りのような「ゴゴゴゴゴゴゴ」という音が、我々の元へ響いてきた。すでに機体は見えなくなってしまったが、轟音はしばし我々の眼を宙に釘付けにした。
放送に耳を傾ける。
ブースターが切り離され、第2エンジンが分離、そして、HTV3切り離しのアナウンスの瞬間、沸き起こる歓声。これまで我々の前で堂々とした姿をたたえていたロケットは、ものの10分の間に、地球の重力に負けないほどの速度へこうのとりを突っ込んだ。
すべては予定通りに進んでいる。我々も、この瞬間に立ち会うために、ここまでやってきたのだ。
西之表からバスできた人、レンタカーを借りた人、自転車をこいできた人、みんなの思いを乗せて、HTV3は宇宙空間へ旅立った。

Dsc01930

11:30
打ち上げが終わっても、我々はまだその場に留まっていた。
みんな感動覚めやらぬといった様子だったが、女の子のうちの1人は写真をたくさん撮っている。
集合写真を撮って、このあとのことを話し合った。
開発の3人組はこれから別行動ということになり、Fくん、Aくん、女の子2人と共に行動することにした。
FくんとAくんは俺の車に乗り込んで、女の子二人組は島内で借りたレンタカーに乗り込んだ。
ここで、女の子の名前がSさんとYさんということが分かる。宇宙大好きな金髪のYさん。いつでもシャッターを切っている。
雨は上がって、ロケットを飲み込んだ雲が漂っていた。
ここで、宿を確保すべく、女子の予約したゲストハウスへ泊まることにしたいと思い電話してみた。
宿は1泊1000円で、雑魚寝なのだそうだ。それでもかまわないと伝えると、ではよろしく、とのことだった。
まずは、昼食だ。

12:00
インギー鶏でおなじみのお店に行ってみるも、この日は予約でいっぱいとのこと。女の子のうち、Yさんがやたら残念がっている。
しかたなく、エブリワンで買い物を済ませる。種子島でEdyが使えるとは。やるなエブリワン。

12:30
鉄砲伝来の岬へ。
昼食を食べて、一息つく。Yさんのおみくじは、大吉。なにかいいことがありそうだ。
ここで、干潮の時だけ通ることのできる岩屋があるというので、観光協会に問い合わせたところ「干潮は13:30」とのこと。
干潮時刻より1時間は楽しめるということだったので、岬を足早に切り上げて、岩屋へ向かう。

14:10
千座(ちくら)の岩屋へ到着。
洞窟のようなものが、思いのほか奥まで続いている。観光に来ている人や、海岸で泳いでいる人がいる。
我々はぶらぶらしながら、洞窟に入り込んだ。
そこは、フナムシが多く生息する場所であった。フナムシはあまり見ていて楽しいものではないが、じっと見ていたら慣れた。
なかなか幻想的な風景の広がる場所であった。
しばし洞窟探検を楽しんだのち、ここで我々は二手に分かれて行動することにした。
種子島宇宙センターに行って見学をしたいというAくん、ここで泳いでいくというFくん。
車は2台しかないので、俺は車をAくんに託し、女子の車で観光することにした。

Dsc01937

15:30
増田宇宙通信所に到着。
氏名を記入し、中の見学施設へ。
H-IIB1号機の打ち上げの映像に見入る人たちのそばに、多くのJAXAリーフレットが置いてある。
たくさん持ち帰るYさん。Sさんは、それほど興味はないようだ。
ロケットの模型や「かぐや」を見たあと、写真と背景を合成して絵はがきを作ってくれるサービスとプリクラをやった。
タダでこういったサービスがあるのは、ありがたい。ロケットの打ち上げとともに、女子2名と俺が写りこんだ。

16:15
「アコウのアーチ」へ。
道路の端から生えてきた木が、反対側の道路にも根を下ろしているような、不思議な造形である。
農作業の老夫婦に聞いても「どうしてこういうふうにできたんだろうねぇ」と言っていた。
何か、神々しいものを感じる。自然っていいなと思う。
反面、ガイドブックに載っているような観光名所なのに、周囲に何の説明もないのはどうかと思った。
それが島の良さ、と言われればそうなのかもしれないが、もうちょっと親切にしてくれてもいいかもしれない。

Dsc01947

17:30
浦田海岸へ。
美しい夕日が見られるかと思ったが、日没までにはまだ時間があるようだった。
海岸はキャンプをする地元の人たちでにぎわっていた。サーファーが来るような海岸ではなく、狭い砂浜は美しい水を吸い込んでいた。
この海岸は、種子島在住のEさんより「行っておいたほうがいいよ」と言われていた海岸だ。確かに、エメラルドグリーンの水をたたえた、きれいな海岸だった。
女子は、砂で汚れた足を洗った。俺も、靴の下のほうだけを洗った。
ここで、男子とは西之表港で待ち合わせることにした。

Dsc01953

18:30
西之表港で、男子を待ちつつ土産屋へ。高速船のりばはすでに閉まっていたので、その近くにあった少し入りづらい商店へ。店内はその入りづらさとはうらはらに、やさしいおばさんのいるお店だった。民芸品から昭和のテイストを感じるものまで、たくさんのお土産に囲まれた店内であった。近くで温泉はないこと、マンゴーはそのあたりのスーパーに売っているのではないかということ、安納芋は今の時期には出ていない、とのことであった。
スーパーを求めて行ったAコープは、すでに閉店。近くでお祭りをやっていたので、様子をしばし見学。
そうこうしているうちに、男子がやってきた。

19:00
夕飯を食べるためのお店探し、なかなか開いておらず、結果的に「さかなちゃん」というお店に入れてもらうことができた。
運転するのでビールはなしで、ノンアルコールビールを飲んだ。
お刺身は事前の調査のとおり、しょうゆが甘かった。Fくんは、関東のしょうゆをもらっていた。
甘いしょうゆには、酢をちょっとたらして食べるらしい。
トビウオのから揚げは、骨が堅かった。じゃが揚げはおいしかった。
串焼きの盛り合わせは、注文してから出てくるまでに1時間くらいかかった。
「今焼いてるからね」というおばちゃんの声が、そば屋の出前のように聞こえた。
串焼きを待っていたら、花火が上がった。俺は「たいした花火は上がらないだろう」と思い、みんなの荷物を見張っていることにして店内に留まっていた。そしたら、串焼きがやってきた。
さて、コンビニで買い物をして、宿へ向かうことにする。

ここで、自分の携帯電話がないことに気がついた。

女子と行動していたときに、レンタカーのナビがしょっぱかったので自分の携帯をナビの代わりにして使っていた。
電池が切れたので、ポケットの中に入れっぱなしにしておいたと思っていたのだが、どうやらないようだ。
車2台の中を捜索するが、ない。
さかなちゃんに戻っても、ない。仕方がないので、とりあえず翌日探すことにして、宿に向かう。

22:00
この宿が、すごかった。
まず、ホームページに大まかな情報しか書いてない。
手書きの地図があって、それだけ。
とりあえず現地に行くことにしてみるが、看板が出ていない。
これはおかしい…と思ったので、女子に待ってもらうことにして、男子で宿を捜索。意外と早く見つかったが、この宿は若干朽ちた民家に数人が雑魚寝しているという状態であった。
とりあえず女子の車に声をかけて、この民家に入ってみる。
中で起きていたおじさんが、宿の説明をしてくれた。主人は不在。
おじさんの案内に従って、部屋に入る。
女子は途中までどこで寝るかを話し合っていたが、結局車の中で寝ることにしたようだ。
FくんとAくんはしばらく小声で話し合っていたが、途中からYさんが混ざったようだ。
俺は、ウトウトしていた。
24時過ぎには眠りについていた。

(続く)

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